言葉を話さないお子様に言語中枢の障害はありません
発達障害のお子様の中には、なかなか言葉を話すようにならないお子様がおられます。
この話し言葉の未発達の場合には、じつはお子様の脳の言語中枢にはなんの問題もない場合がほとんどなのです。
私たちが言葉を話す場合、頭の中に文章を思い浮かべて、それを読み上げるように喋るのではなく、頭に思いついた事柄を、反射的に口からしゃべっているのです。
つまり、言葉を本を読むように話しているのではなく、ウグイスやニワトリが鳴くように、喋っていることになります。
たとえば相手が「こんにちは」と声をかけてきたら、あなたも反射的に「こんにちは」と返しますよね。
つまり私たちの話し言葉は、心に浮かんだ事柄を、口が勝手にペラペラしゃべっているのです。
ですからついうっかり腹の底に隠していた本音をしゃべってしまう『口がすべる』現象が起きるのです。
話し言葉の発達が遅れているお子様は、頭の中に話したいことが沢山あるのに、上手く口が動いてくれないお子様なのです。
その証拠に、言葉は話せなくても字がかけるタイプの発達障害のお子様もけっこうおられるのです。
これら話し言葉の発達の遅いお子様の場合、お子様の脳の言語中枢にはなんの障害もない場合がほとんどなのです。
言葉を話す能力は反射神経みたいなものです
春になるとウグイスが鳴きますね。
「ほーほけきょ」と鳴く風情は、とても春を感じさせてくれます。
でもウグイスの中には、「ほーほけきょ」と泣けずに「けきょけきょけー」と鳴く未熟なウグイスがいます。
これを田舎のおじさん達は『ばかウグイス』なんて呼んでいます。
でもこのウグイスは決してバカではありません。
メスを誘う「へい、彼女お茶しない」と言うキラーワードである「ほーほけきょ」が上手く言えないだけなのです。
話ことばの発達の遅れているお子様は、このうまく鳴けないウグイスと同じようなものなのです。
話し言葉の問題は『背側言語経路』のボトルネックが原因です
私たちの脳には2つの言語中枢があります。
1つ目は前頭葉の下の方にある『ブローカ野』で、2つ目が側頭葉の上の方にある『ウェルニッケ野』です。
この2つの言語中枢を前側のループで結ぶのが『腹側言語経路』で、後ろ側のループで結ぶのが『背側言語経路』になります。
前側の『腹側言語経路』は相手の言っていることを理解するための経路です。
ことばの発達の遅れているお子様の多くは、この2つの言語中枢には問題がなく、『腹側言語経路』もしっかりと働いているために、ママやパパの言っていることは理解できています。
でもママの言っていることを理解できていても、言うことを素直に聞くかどうかは別問題ですよwww
この場合『言うことを聞かないけれど、なんとなくこちらの言っていることは分かっているようだ』な感じになります。
それに対して後ろ側の『背側言語経路』にボトルネックがあると、お子様は話し言葉の発達が遅れてしまうのです。
お子様は相手の言うことは理解できていますので、2つの言語中枢は問題なく働いて、腹側言語経路を動かしています。
それに対して背側言語経路の途中には『側頭頭頂接合部』があり、そこは身体のバランスを取ったり、身体図式を生成したり、注意のコントロールをしたりするのに働く神経核がたくさんあるのです。
つまり話し言葉の遅れているお子様の場合、言語中枢に問題があるのではなく、身体のバランスに問題があったり、身体図式に問題があったり、注意のコントロールに問題があることが、言葉を話す経路のボトルネックになっているのです。
話し言葉のケアにはバランンストレーニングが効果的です!
ことばの発達の遅いお子様の場合、言語中枢には問題がありません。
ですから一般的な言語訓練をしても、なかなか効果が得られません。
それに対して、言語訓練はいったん置いておいて、体操やトランポリンなどの身体を使ったトレーニングをすることで、お子様のことばの発達が良くなる場合が多いのです。
また専門的なケアになりますが、身体図式を発達させたり、注意コントロールを改善するアプローチも、同時にことばの発達を促してくれるのです。
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