I.Sさま(4歳)のご体験記

キッズイノベーションの前身の頃からお世話になって約1年半になります。当時、様々な発達障害に関する本を読んだ上で私が認識として持っていたのは、療育は社会生活を送る上で大きな問題が生じないよう様々な対処を身に付けるものであり、発達障害というものを根本的に治すものではない、というものでした。

ただ、アメリカのブレインバランスセラピーの本に関しては、このようなセラピーを日本でも受けられれば、息子が抱えているのであろう脳の問題を改善に導くことができるのではないかと感じ、ブレインバランスセラピーが日本でも導入される動きがないか、情報を探っておりました。

なかなか良い情報に巡り合えないまま数か月程経ったある日、思わぬところで『ブレインバランス』の文字の入ったチラシが置いてあるのを見つけました。

ちょうど息子の自傷行為が激しくなっていた折で、一刻も早くこの状況を改善してあげたい、という思いと同時に、もしこれで効果がなければ、唯一の希望のように捉えていた手段がなくなってしまうのではないか、という不安を抱えながら連絡を取りました。

しかし、その不安は松澤さんに来訪して頂いた初日にどこかに消えてしまったように思います。脳に関する専門的な話とこれまでの実績を踏まえながら、「良くなるのが当たり前」と思ってらっしゃるかのように話をして下さる様子に気を軽くして頂いたこともありますが、何より、「発達障害」と呼ばれるものに対して、それまで書籍等では触れたことがなかった新たな解釈に触れたことが、自分の気分を大きく変えてくれたのではないかと思っています。松澤さんは、発達障害の子はチューニングの必要なスポーツカーのようなもの、という表現をされました。脳を大きくしようとして生まれてきたが、その脳を生かす調整がこれまでうまくいかなかっただけ、筋肉に刺激を与えることで脳神経の発達を促してあげれば、持っている脳の力が発揮され色々なことを吸収できるようになっていく、と。その言葉によって息子を強く肯定して頂いた様な気がして、心の中のモヤがすっと晴れていく心持ちになったことを印象深く覚えています。

ケアの内容は一種のトレーニングの様なものを行うのだろうと思い込んでおり、教わったトレーニングを忠実に毎日実践しよう、と意気込んでいたのですが、息子への処方はマッサージをして頂くだけで親のすることは特になし、ということで若干肩透かしを食らった気分になってしまいました。

しかし、ケアを開始してひと月も経たないうちに、息子の様子がこれまでとは違う早さで変わっていくことが明確に感じ取れました。

何となくぼんやりしていた雰囲気が、日を追うごとに徐々に目が覚めていくかのようにはっきりしたものに変わっていき、目が合っていても今ひとつ反応のはっきりしなかったコミュニケーションも、しっかり私たち両親を認識して関わってくれている、と感じられるようなものに変わっていきました。最も心配していた自傷行為は、程なくして全く現れなくなっていました。

また、それまではなかなか手応えが感じられなかった他の療育での様子も、指導されたことを吸収できていると感じられることが着実に増えていき、成長が格段に早くなったように感じられます。

凸凹しながらの発達ではありますので、成長の過程でまだまだ心配がなくなった訳ではありませんが、看護師の皆さんにはいつでも日々の気になることについて親身に相談に乗って頂き、私たち両親の精神面でのケアまでして頂いている感じです。

定型発達の子と違う部分は多々あるものの、日毎に成長してくれている様子を実感できるのは1年半前にはなかったことです。キッズイノベーションに出会う迄は「大丈夫だ、きっと良くなってくれる」と自分を叱咤しながら何とか前向きに過ごそうとする日々でしたが、今は自然に笑顔と未来への希望が湧いてきます。息子の成長に触れるたびに、ケアして下さる看護師の皆さんへの溢れる感謝の念と共に、巡り合えて本当に良かった、という喜びを反芻しています。

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